バテないカラダをつくる“漢方”ライフのススメ。知っておきたい、生活習慣の意外な事実とは?

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2017.8.10 text by:Kei Yoshida

バテないカラダをつくる“漢方”ライフのススメ。知っておきたい、生活習慣の意外な事実とは?

暑い時期に襲ってくる食欲不振や重だるいなどの困った不調。暑いから夏バテはしかたない、そんな風に放っておくと秋まで不調が続くことも。いつもと違う「症状」には、必ず何か原因があるんです。今回は、漢方を取り入れた“バテない体づくり”について、鎌倉・大船で67年続く杉本薬局の杉本格朗さんに伺いました。

夏バテしやすい体をつくる生活習慣。“水分補給”の意外な事実とは?

杉本薬局の杉本格朗さん

梅雨時から9月の頭頃までに出てくるいわゆる〈夏バテ〉の症状。そもそもバテやすい体になってしまう生活習慣というものはあるのでしょうか?

「夏バテの代表的な症状はまず食欲不振。食欲がなくなったら体が何かを訴えている、と思ったほうがいいですね」(杉本さん)

夏という季節が持つ過剰な“湿気”と“暑さ”、冷房や冷たい飲食物による“冷え”が夏バテの原因に

「夏は漢方でいうと〈湿〉+〈暑〉のシーズン。体は暑くて喉が乾くと感じたら水分を取り、また、水分が汗となり、外に放出することで冷却作用が働いて体温を下げるという循環が成り立っています」

「現代では基本的に冷房で温度を調整しています。冷房は、漢方でいう〈寒〉の要素です。それが悪いというワケではありません。ただ冷房が効いていて、汗をかかないならば、水分はそこまで取らなくていいはず。『とにかく乾く前に水分補給を』では、必要以上に水分を摂りすぎてしまうことがあります」

「ただでさえ水分が溜まりやすい湿気のシーズン。きちんと排出されないうちからさらに上乗せすることで、体中にどんどん水分が溜まり、むくみや重だるさを引き起こします。冷房の効いた場所に長くいるなら、なおさらです」

「ただし、熱中症にならないように、適度な水分とミネラルの補給、そして、熱が体に籠らないように心がけてください。牛黄(ゴオウ)などの漢方薬はとても有効です」

「水分の蓄積 = むくみ」によって、だるさ・食欲不振・めまいに。 一番いいのはきちんと汗をかいて、水分を溜めないようにすること。

「水分の摂りすぎを意識するとともに、代謝を上げるためになるべく湯船に浸かったり、適度な運動をすること、そして、体温を上げることが大切です。もちろん、むくみ解消や発汗、体を温める効果のある漢方的なアプローチをするのもひとつの手です」

夏バテを予防する生活習慣ポイント

・水分の摂りすぎに注意する(冷房の効いた部屋で過ごしている場合)
・湯船に浸かり、代謝を上げて汗をかく
・適度な運動をして、体温を上げて汗をかく
・むくみ解消や発汗、体を温める漢方を取り入れる

病院の薬では決してできないこと。漢方の良さは、どこにある?

杉本薬局の漢方たち

漢方とは、5世紀頃に中国から伝わった医学を日本の風土や日本人の体質に合わせて発展させた、日本独自の伝統医療のこと。

漢方薬は2種類以上の「生薬」(薬効成分が認められている植物・生物などの自然素材)を組み合わせて作られます。これを煎じて服用したり、塗り薬にしたりするのが一般的。

「症状をピンポイントで治すのではなく、その要因を探って元から働きかけていくのが漢方。例えば頭痛を訴えている人が3人いたとして、Aさんは冷えから、Bさんは水分過多から、Cさんはストレスからくる頭痛だとすると、同じ症状でも原因が違うので処方する薬の内容が変わってきます。同じ『頭痛薬』を出すわけではないんですよね」

「漢方薬がオーダーメイドになるのには、そういう理由があります。生活習慣はもとより育ってきた環境でも原因は変わってくる。なので問診ではその症状がいつから出ているのか、そして食欲、むくみ、便通、お腹の張り、肩こり、ストレスなどから、発症当時の出来事まで、細かく質問します」

西洋医学で使用する薬は、素材から有効成分だけを取り出して合成的に作り出したもの。漢方で用いる生薬は有効成分だけではなく、素材をまるごと使用するもの。

「どちらが良いということではなく、用途が違うということ。漢方では、人の体も自然の一部であり、自然の状況と合わせて生きるのが本来の姿だと考えます。自然の摂理に従えば、心身のバランスも整ってくる。原因不明の不調とよく言いますが、様々な視点から原因を見つけることが改善の糸口となるのです」

不調をもたらした理由を探るうち、気づいていなかった体質や生活習慣のクセが見えてくることも。自分の不調と向き合うことで、全身のバランスを整えるチャンスをもらえることが、漢方の大きな魅力といえそうです。

漢方の魅力・メリット

・ピンポイントの対症療法ではなく、根本の原因から治す
・オーダーメイドで自分に最適な薬を処方してもらえる
・問診によって、自分の体質や生活習慣のクセを知ることができる

快適に暮らすために、もっと気軽に漢方を取り入れてみよう!

夏バテ対策に効果がある漢方

「難しく考える前に、例えば外食して食べ過ぎちゃったら、翌日は温かくて体に優しいものを食べるとか……普段から体に意識を向けること、体を労わることがまずは大切なんじゃないかと思います。僕自身、飲みに行くのも遊びに行くのも好きで、体のためにとそれを止めるつもりもなくて。ただ体調や予防には人一倍気を遣います。辛い思いをするのは嫌ですからね(笑)」

不調や病気に対処するのももちろんですが、もっと当たり前に、自分が心地よく生きていくための生活の一部として漢方を取り入れることはできるのでしょうか? 例えば料理に使う食材のひとつとして、薬効のあるものを取り入れることはできますか?

「最初にお話ししたような、水分の取りすぎには〈小豆〉と〈ハトムギ〉がおすすめです。ともに優れた利尿作用があるので、摂ることで水分を排出してむくみ解消につながります。おかゆやスイーツにも向いていますよ」

夏バテ対策に摂りたい、薬効のある食材

水分排出・・・小豆、ハトムギ
熱を冷ます・・・豆腐

もっと手軽かつ効果的に漢方を取り入れてみたい、という人には、食用に処方された漢方スープの素やお茶などが便利です。

「漢方薬は本来煎じて飲むものですが、その一手間が面倒という人も多い。今ではとても手軽に、パックとお水を入れてレンジで温めるだけでOKというものも出ています」

補中益気湯(ホチュウエッキトウ)を淹れているところ

この時淹れていただいたのは補中益気湯(ホチュウエッキトウ)。慢性的な疲れや消化機能の衰え、長引くだるさにアプローチ。人参(オタネニンジンの根)、白朮、黄耆、当帰など10種類の生薬を配合しています。

杉本薬局のティーバッグ

杉本薬局で人気のオリジナル商品。お湯を注ぐだけのティーバッグと、煮込みやスープ、カレーなどに入れて使える食用漢方パック。左から和漢チャイ¥1,200(税込)、和漢ティー¥1,200(税込)、薬膳十一包(朝鮮人参入り)¥540(税込)

漢方茶は、朝作って水筒に入れておけば、職場でもお茶感覚で飲むことができます。難しそう、面倒くさそうというイメージも強い漢方ですが、実はもっとフレキシブルなもの。この夏から取り入れて、根本的にバテない体づくりを始めてみませんか?

photo / Daisuke Taniguchi

杉本薬局

住所:神奈川県鎌倉市大船1-25-37
TEL:0467-46-2454
営業時間:10:00〜18:30
定休日:日曜・祝日、お盆、年末年始
漢方相談は予約なしでも空いていれば受付OK。

http://sugimoto-ph.com

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