怒りや欲望が引き起こす衝動を抑えたい時のマインドフルネス瞑想のやり方

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2017.11.14 text by:富永明子

怒りや欲望が引き起こす衝動を抑えたい時のマインドフルネス瞑想のやり方

嫌なことを言われたり、ひどい態度を取られたりしたとき、ついカッとなった経験を持つ人は多いはず。また、ダイエット中や禁煙中にもかかわらず、欲望に負けて後悔した経験も、あるのではないでしょうか。こうした衝動に流されそうなときも、マインドフルネス瞑想が役立ちます。ここでは「RAIN」と呼ばれる手法を、書籍『世界のエリートがやっている最高の休息法』(久賀谷亮/ダイヤモンド社)を参考に解説します。

目まぐるしく思考を続けることで、感情が希薄に

書籍『世界のエリートがやっている最高の休息法』(久賀谷亮/ダイヤモンド社)は、マインドフルネス瞑想を続けることで“脳が休まる”という点に着目した一冊です。本書によると「マインドフルネスとは『瞑想などを通じた脳の休息法の総称』」。何もしなくても勝手にエネルギーを使って疲れていく脳を休息させるのに、マインドフルネス瞑想がなぜ役立つのかがわかりやすく書かれています。

私たちは普段、何もしていないときでも頭のなかで、目まぐるしく思考を続けています。その多くが「なぜあんなことを言われたのか」「将来こうなったらどうしよう」など、過去と未来についてです。そのうちに脳は疲れ果て、自分が「今ここ」にいることへの意識が薄れてしまいます。その結果、集中力は低下し、注意力は散漫になるのです。

自分ではどうにもならない感情の正体は、偏桃体の暴走

怒っているような女性の写真

「今ここ」にある自分の感情がキャッチできないと、怒りの感情や欲望などの衝動を認識できないので、正しく受け入れられません。負の感情を突き離して考えることができず、制御しにくくなります。冒頭で紹介した書籍によると、衝動的な欲望を抑えられない状態は「偏桃体ハイジャック」と呼ばれるそう。

「偏桃体は外部から過度の刺激を受けると、脳全体を乗っ取って暴走を始める。偏桃体ハイジャックなどとも呼ばれるが、じつはこれが怒りの正体じゃ。偏桃体が暴走すると、アドレナリンが分泌されて脳の思考活動が抑制されるので、前後の見境がなくなったりもする。」(P.164)

こうした「自分ではどうにもならない」感情に対処するために役立つのが「RAIN」というマインドフルネスの手法だそうです。

怒りや欲望に支配されそうになったときの手法「RAIN」とは

同書によると、RAINは以下4つのステップの頭文字のこと。

1:怒りが起きていることを認識する(Recognize)
2:怒りが起きているという事実を受け入れる(Accept)
3:身体に何が起きているかを検証する(Investigate)
4:怒りと自分を同一視せず、距離をとる(Non-Identification)

よく「言われた瞬間は気づかなかったけれど、あとから頭に来た」と言う人がいますが、それはまさに「今ここ」にある感情がつかめていない証。また、瞬間的に怒鳴ったり、物を壊したりして、いつも後悔しているという人も、反応の仕方は異なるものの同じ状態と言えるでしょう。

まずは、怒りや欲望を感じていることを自覚することが、大切なファーストステップです。自覚したら、それを感じた自分を否定も評価もせず、ただ「私はそう感じたんだな」と受け入れます。

怒りや欲望にとらわれかけたら、身体に起きている変化を検証

怒っているような女性の写真

受け入れたあと、身体に起きている変化を検証することで、ぐっと「今ここ」に意識が集中します。怒りや欲望を感じたとき、ドキドキと鼓動が早くなりませんか? または、肩や背中、手など、体のどこかが強張っていませんか? それを「治そう」とする必要はなく、ただ感じるだけでOKです。

「今ここにある身体の変化」を感じ取れると、次第に気持ちが落ち着いてきます。中心軸にあるあなたと、怒りや欲望という感情とが切り離され、「怒りや欲望は確かにここにあるけれど、私のすべてではない」と感じられるでしょう。この瞑想法を続けるうち、いっときの感情に振り回されることが減ってくるはずです。

瞑想を通して、自分と感情を同一視しないことを覚える

たとえば「声を荒げたくないのに、怒りのあまり怒鳴ってしまった」「食べてはダメだとわかっているのに、過食してしまった」「禁煙中なのに、煙草がやめられない」など、自分では望んでいない欲求に支配されたとき、私たちはつい自分を責めてしまいます。

しかし、その感情すべてが私ではありません。それは私のなかにある一つの感情に過ぎず、偏桃体が暴走している結果かもしれません。やみくもに自分を否定するのではなく、マインドフルネス瞑想を通して、その感情と自分を同一視することがなくなれば、今よりずっと生きやすい日々が待っているはずです。

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