【連載 食養生2】 旬の食材を丸ごといただく大切さ

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2019.6.27 text by:荒木 ひとみ

【連載 食養生2】 旬の食材を丸ごといただく大切さ

日頃から健康を意識している方は、食事内容や方法を見直すといった、食から健康へアプローチすることを実践している方も多いかもしれません。この連載では、中国生まれの東洋医学のメソッドが入った「食養生」について、実際にその知識を取り入れている筆者が、基礎知識や効果についてご紹介します。第2回は、食養生の基本メソッド「一物全食」についての解説です。

「一物全食」とは

「一物全食」とは、食材を丸ごと食べることで体にとって良い食事となるという食養生のメソッド。一物全食の考え方は、次のようなことです。

・皮も含めて丸ごと食べる=皮は皮膚を作る
・アクをとらずに全て頂く=栄養と風味を保ちながら、美と健康を維持する

例えば、玄米と白米どちらの栄養価が高いですか?と質問されたらどうでしょう。精米した白米の方が美味しいですが、玄米が白米よりも栄養素が豊富とされていますね。

苦味やえぐみのある食材の代表格であるごぼうはどうでしょうか?皮をとって酢水にさらし、アクを抜いてから調理することが多いと思います。ここでごぼうの栄養素についておさらいしておきましょう。

【ごぼうの主な栄養成分】

水溶性イヌリン→大腸の運動を活発化、腸内環境を整える腸内フローラを改善する善玉菌を増やす
アルギニン→精力増強、新陳代謝やお肌を整える
タンパク質、炭水化物→体を構成するために必要な3大栄養素の2つ
カリウム→血圧を下げる
リグニン→コルステロールを減らす
ポリフェノール→抗酸化作用に優れて美容や健康を維持する

豊富な栄養素を含むごぼうですが、なかでもポリフェノールがごぼう特有の苦味やえぐみの原因となっているそう。とはいえ、長いアク抜きはせっかくのポリフェノールの効果やごぼうの風味や美味しさまで逃してしまいます。

そこで「一物全食」の考えです。もし口あたりが悪く、受け入れられなくても大丈夫。とったアクを出汁に、お味噌汁やスープに活用してみると美味しくいただくことができます。

ちなみに筆者は、ごぼうを皮ごと切り、水でサッと洗ってキンピラを作ったり、ごぼうから出たアクも、豚汁や炊き込みご飯の出汁としてできるだけ活用したりしています。大きく切り分ける筑前煮などの時は、タワシで泥汚れだけをこすり落とし、アクは取らずそのまま調理しても美味しいです。

また、骨まで全部いただきたい魚も、小魚なら手軽です。特に天ぷらは頭から丸ごと食べられて◎。大きい魚の場合は、圧力鍋で煮付けると丸ごと食べやすいですよね。

いろいろな野菜を皮ごといただくことができるコールドプレスジュースも、酵素をたっぷり摂れるのでオススメ。ですが、ジュースにすると咀嚼しないため、主食としてではなく、サイドメニューや固形物が食べられない時に取り入れた方が良いとのこと。

管理栄養士の方に伺ったところ、咀嚼によって食べ物と細菌を絡めとる唾液とが混ざり、胃腸がぜん動運動をすることで必要な栄養素を体内に取り入れるため、食べ物はしっかり咀嚼して取り入れることが良いのだそう。他にも、咀嚼は記憶力向上や心を落ち着かせるセロトニンの分泌も促すため、しっかり咀嚼することは大切といえます。

皆さんも、食材を余すことなく丸ごといただくことで、より健康的な食事を実践してみましょう。

一つの中に陰陽がある

食養生の由来である中国の東洋医学では「一つの中に陰陽がある」と言われており、一つのものの変化を表現するために、世の中のあらゆる全てのものを「陰」と「陽」の二つの性質に分けて考えます。

これは食べ物についても同じで、梅雨から夏にかけての「土用」と言われるこの季節は、南国のフルーツや白砂糖といった陰性のものを摂り過ぎることでと脾臓を痛めるとも言われています(ドライフルーツは陽性が高まります)。

脾臓は胃腸などの消化器官を示し、土用の時期は食欲不振、慢性疲労、倦怠感、むくみといった、体内の水分バランスが乱れる「湿邪」が原因となる不調が出やすくなります。本格的な夏に備え、滋養ある(陽性の)食材を摂り体調を整えておきたいものです。

例えば、第1回で祖母の知恵としてお伝えした梅干しはさることながら、ミョウガや、三つ葉、らっきょう、新生姜、大葉など、薬味となる食べ物は、胃腸の調子を整えてくれる旬の食材とされており、体内の陰と陽のバランスを整えるためにも旬のお魚を丸ごといただく際に一緒に摂ることをオススメします。

梅雨の季節と同じく陰性の冬の時期は、新鮮なお魚が手に入らない場合、太陽をたくさん浴びた陽性である1年以内に作られた干物をいただくようにします。陽性の食べ物でも、干して1年以上経つと陰性に変わり逆に体を冷やしてしまうと言われています。

心→太陽→空気(呼吸)→水→食

第1回でもお伝えした通り、食養生の優先すべき5つの事項は、
「心→太陽→空気(呼吸)→水→食」
の順でしたね。
心の状態は最も健康に影響します。食養生では、心が喜ぶことを選んだ生き方をすることが大切だと言われています。

筆者は何かを選択をする時、多少無茶かもしれなくても、心がウキウキする方を選びます。また、朝は日の出と同じくらいに起きてカーテンを開け、一日の中で一番澄んでいて良い気に溢れている空気をたっぷりと深呼吸をして吸い込みます。そして、太陽に向かって一日の始まりに感謝をしながら、ヨガのアーサナや軽いストレッチをすることで、今の自分と向き合う生活を心がけています。

ヨガに出会ったことで、風邪をひくこともなく比較的健康体ですが、時々食べ過ぎによって胃腸に負担をかけたり、スナック菓子を食べるとすぐ肌荒れが出たりといった不調が現れることがあります。その際に、自分自身を健康的に生かす食べ方や「食養生」の大切さを改めて実感しています。

季節特有の不調に陥らないためにも、体内の陰と陽のバランスを取りながら、できるだけ旬の食材を丸ごといただくことで、エネルギー(気)を循環させていきましょう。

今後の記事で食養生の3つの基本の考え方残りの「身土不二」や現代の食養生についてもご紹介していきます。

ライタープロフィール:荒木ひとみ

フリーランスヨガ講師。日常に少しでもYogaを取り入れ恩恵を享受頂けたらという願いから、世界一周客船船上ヨガ講師として乗船。大手ジムでのレッスンや、個別レッスン、イベント主催をしながら活動中。ヨガスクールFIRSTSHIPでは外部講師としてレッスンや授業を担当。全米ヨガアライアンスE-RYT500取得。ライターのホームページはこちらから。

荒木ひとみ(ライター用)

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ヨガインストラクター資格取得 Firstship

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