ヨガの知識を活かしながら子どもの成長を見守る「キッズヨガ」の魅力

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2019.8.13 text by:Rie

ヨガの知識を活かしながら子どもの成長を見守る「キッズヨガ」の魅力

最近耳にすることが増えてきたキッズヨガクラス。子どもにヨガは必要なものなの? もし、子どもがヨガをするならどんな可能性があって、どんな方法があるの? 今回は、小学校教諭、NPO法人のフリースクール講師として教育現場で活躍後、ヨガ講師としてキッズヨガ普及に従事している筆者が、キッズヨガの魅力や効果、将来性について解説します。

キッズヨガってなに?

キッズヨガは、心や体の大きな変化を経験する幼児~19歳までの子どもたちが、健やかな心と体を育み、ライフスキルを身につけることができる理想的なツールです。
子どもたちが置かれる環境は、かつてより複雑になり、実体験を伴う学びが圧倒的に減ったといわれています。

WebやSNSで簡単に多くの人とつながったり、バーチャルの刺激的な経験をしたりすることは、まだ実体験が乏しい子どもたちには危険なものになり得ます。例えば、そういった経験から生まれる余分なストレスや感情にどう対応したらいいのかわからず苦しんだり、自分の体についての意識が著しく欠如して上手く扱えなくなったり…。

座ったり、走ったりする基本的な動作ができない子どもたちが増えている中、キッズヨガのポーズの練習は、体の変化に気付き体の調子を整えるとともに、体力の向上を図る手助けになります。

さらに、子どもたちの置かれる環境が大きく変わってきた時代だからこそ、子どもたちが健やかに成長し、それに関わる大人たちも安心して子どもたちに関わることができる可能性をキッズヨガは持っています。

子どもが笑顔で幸せに生きていく姿が見られたらどんなにすてきなことでしょう! 多くの子どもたちと教育現場で向き合ってきた私だからこそ強く思う、キッズヨガの可能性を紹介していきます。

キッズヨガのクラスを通してできる5つのこと

子どもたちがキッズヨガを行うことでどんな効果が得られるのか、5つのメリットをお伝えします。

1.運動能力の発達

ヨガのポーズや呼吸法、体を使ったゲームを通して、子どもたちはさまざまな体の動きを体験し、空間感覚、身体意識が育めます。

2.自己認識

自分自身に深く意識を向ける経験は、自分の体と前向きに関わる手段を身に付ける機会になります。特に思春期の子どもは、アンバランスに成長していく心や体に戸惑い、自分を見失い苦しむ傾向があります。そんな時、自分の内面で起きていることにつながりを持たせ、自分自身で自分のことを知ることを可能にするヨガのツールを用いて、自分の感情へ意識を向け、その感情に上手く対応できるようになる経験をすることが可能です。 

また、経験を通して、感情的、身体的境界線を知る助けとなります。例えば、受容することや批判しないこと、自尊心、自己へのいたわりを学ぶことができます。

3.自己制御

健全な自己認識がなされることにより自己統制、ストレスの軽減の仕方を学ぶことができます。起こった出来事に対して反射的、感情的な反応ではない対処法を知り、子どもたちが自分や周りの世界と上手につながることを可能にします。

さらに、キッズヨガを通して得られる想像力、運動(遊び)、休息、呼吸、集中する経験は、子どもたちの緊張を解きほぐすツールとして最適。自分に合ったストレスマネージメント方法を知り、自分にとって有効な方法を選ぶ力が身に付いていくでしょう。

4.自己の確立

ヨガクラスの中を中立的な社会環境にすることで、子どもたちは周りに対して「いい顔」をするのではなく、自分に正直になることの練習ができるようになります。人と違うことが「個性」ではなく、自分らしいあり方が「個性」であることを理解します。

こういった経験で、自己が確立しているからこそ、他者への理解(共感)が開かれ、良好な人間関係を築くことができるようになります。

5.成功体験(意欲)

結果に伴う勝ち負けではなく、プロセスの中から、自分にとっての成功や充実感を味わうことができるようになっていきます。子どもたちが結果にとらわれず、前向きに何かにチャレンジしていく意欲を育むことができます。

細かく言えば、さらにたくさんの可能性があるのですが、これらの素晴らしい効果を達成するために、キッズヨガを提供する大人側にも必要な心構えがいくつかあります。

キッズヨガで大人が注意すべきこと

・自己顕示欲を捨てる。その時間は子どものためのものであること(主体は子ども)を忘れない
・自己開示をする。自分の能力以上のものを求めない、ありのままの自分でいる
・大人の手を加え過ぎてコントロールしようとしない
・全ての答えを与えない
・問いかけを多く使う(ディスカッション)

子どもたちのヨガをリードする人は、ポーズや呼吸の方法を指導するというよりも、伝えたツール(ポーズや呼吸法)を子どもたちがどのように扱っていくかを見守り、助言する役割。大人に依存させることなく、子どもたちを支配せず中立的な立場として存在し、その場の柱として関わることが大事です。

大人に伝えるヨガのようにやると、子どもたちはぽかーんとしてしまうのでご注意を。

実際にキッズヨガのクラスをやっていて私が思うこと

私がキッズヨガのクラスを担当するなかで感動することは、子どもたちが持つ“個としての可能性”です。純粋にどんな子どもも素晴らしいなと思います。

キッズヨガのクラスでは、子どもたちに何かを上手にさせることを目的としていませんし、強制的に参加させることもありません。子どもたちの経験から生まれる気づきを大切にしていきます。

ですから、どんなに綿密にレッスン内容を準備しても、その日の子どもたちの様子を見て「これは違うなぁ」となったら、即座にその場に合わせた提案を子どもたちにしなければなりません。前もって準備していたレッスンに執着できない環境なのです。

ちなみにキッズヨガクラスは、女子より男子の方が好きだったりします。特に普段落ち着きがない、またはパワーが有り余っているような子です。

最近行ったキッズヨガレッスンで、レッスンの最中にマットでごろ寝し、ヨガのポーズに参加していなかった子がいました。普通こういう子どもがいると、大人は失敗したと思いがちですが、レッスンの振り返り時間で「今日のレッスンたのしかったー!さいこー!」なんて書いた紙を渡してくれたのです。

そして彼は、イライラした時には、ヨガクラスの呼吸法をこっそりやっていることも教えてくれました。彼は、どうやらかなり元気な子どもで、よく友達と喧嘩をしたり、物を乱暴に扱って怒られたりするとのこと。ですが、誰も傷つけることなく、自分らしく過ごせたことが本当にうれしかったらしく、お家に帰ってもその話をお母さんに伝えたそうです。

こんな報告を普段受けないお母さんも喜び、後日わざわざ私に連絡をしてくれました。学校でも友達とトラブルを起こすことが減ったそうです。それを聞いた時、勇気を出してこのレッスンをできて本当によかったと感じました。

キッズヨガを行うことで大人にもこんな効果が!

キッズヨガは「子どものためのもの」ですが、実はそれを提供する大人側にもたくさんのメリットがあります。

・子どもとの良好な関係性の築き方を知ることができる
・子どもに対して余分なストレスを感じることが減る
・感情的、または高圧的に接し、自己嫌悪になることが減る
・大人自身がどんな自分も受け入れる心ができる
・自分のことが好きになる

あれ?気付きましたか?キッズヨガを提供することで、子どもが経験する成長や変化を大人も身に付けることができるのです。

何かを経験をすることにリスクは付き物ですが、マットの上をという安全な環境でこのような経験をできるなんて素晴らしいことではありませんか! キッズヨガは、これからを生きる子どもと、それを支える大人をサポートしてくれる心強いツールとなっていくでしょう。

たくさんの可能性を秘めたキッズヨガにみなさんもチャレンジしてみませんか?

ライター:Rie

ヨガライター。小学校教諭、フリースクール講師と教育現場で働いた後、体だけでなく心にも作用するヨガに他にはない魅力を感じ、学びを深めヨガ講師に転身。全米ヨガアライアンスRYT500、全米ヨガアライアンスキッズヨガRCYT95取得。ヨガスクールFIRSTSHIP講師。

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ヨガインストラクター資格取得 Firstship

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