仕事もプライベートも100%楽しむ。フランス人に学ぶ、ワークライフバランスのとり方

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2017.7.21 text by:Tomoko Yokoshima

仕事もプライベートも100%楽しむ。フランス人に学ぶ、ワークライフバランスのとり方

私たちにとってフランス人の価値観は、眩しく映るものかもしれない。表面的な美しさだけではなく、心から溢れ出るジューシーなフレンチ・エスプリ。それは「自分らしさ」をモットーに仕事のONとOFFの違いを明確にすることから生まれる「自分」と「社会」とのバランスのよい生活習慣ではないでしょうか!? 今回は、そんなフランス人のワークライフバランスの秘訣をパリ在住ライターがお届けします。

フランス人に与えられたご褒美の「バカンス」

4人家族が仲睦まじそうに話している様子

フランス人にとって夏のバカンスは醍醐味。そのために日頃頑張って仕事をしているといっても過言ではない。例えば、いくら仕事が大好き! というパリジャンがいたとしてもバカンスは別格。バカンスを返上してでも仕事をしようという人は、そうはいない。

9月に新学年を迎えるフランスにとっては、1年の締めくくりがバカンス前にあたり、ここは日本とは異なる。ロングバケーションには、1年間頑張ったご褒美的な意味があり、そしてバカンスを謳歌する義務もある。なぜならバカンスを満喫したフランス人たちは、9月の日常生活に戻った際に、次の1年を頑張るための充電がしっかりとされていて、イキイキしているからだ。

ところで、日本人はバカンス下手だろうか? 

例えば、仕事でパリに来ていても、空いた自由な時間を有意義に過ごしている人もいるし、旅好きであれば、仕事終了後にプライベートバカンスを組み込んで隣国へ行ってしまう人もいる。

日本人は日本人なりに、贅沢な休暇が取れなくとも、こういった忙しい日々の中にプチバカンスを組み込む、というスケジューリング能力に長けているのではないか? と思う。

そこには仕事のONとOFFの切り替えのスイッチが必要であり、同時に、無駄のない仕事の仕方も要求されるかもしれない。でも、それは、仕事と私生活をともに充実させるために必要な「器用さ」だろう。

とはいえ、きちんとした長期的なバカンスも、フランス人のようにもっと胸を張って取るべきだろう。

パリを訪れた日本女子曰く「旅行のスケジュールを数ヶ月も前に作っちゃうんですよ。それに向けて頑張れるし、それ以前に仕事を終えるよう、効率よく仕事をすればいいんです」

ね! できるんですよ。私たち日本人も。これからは「忙しいから」「仕事が終わらないから」を言い訳にしないで、頑張ったご褒美は計画的にいただく、をモットーに!

仕事のONとOFFについて

ホームパーティの様子

これはバカンス事情に似ているかも知れない。バカンス期間を「1日」に置き換えただけで、1日の中で「仕事の時間」「自分の時間」を作ること。

1人で、恋人と、家族と、といった構成は関係なく、就労時間が終われば自分の時間が持てる、ということが日々のストレスを貯めない秘訣だろう。

パリジャンでいうと、彼らは自分が住んでいる地区を大切にするので、仕事場所から自分の街に戻り、そこでアペリティフ(食前酒)を楽しむ、いつものように知り合いと会話を楽しむといった習慣も、私にはとても素敵に思える。

これはパリのカフェ文化の影響も大きいに違いない。フランス人はおしゃべり好きだから、ネット経由ではなく、直接会話をすることを好む人たち。

そして、その場には老若男女が混ざり、世代の差などない人間模様が繰り広げられる。そこには「他人」といった隔たりがなく、誰とも会話ができる「オープンなエスプリ」もラテン気質のフランス人だからかもしれない。彼らは仕事が終わったら、毎日のように、家族と友人と、時には他人とまでおしゃべりを楽しみ、ストレスを発散しているのだ。

日本にいても就労8時間として、6時に仕事が終わった場合、7時に帰宅すれば就寝の12時まで(仮に)なんと5時間もある。疲れた日には、大好きなミュージックを聴きながら料理を作るなど静かに過ごす事もできる。元気があればコンサートへ行く事もできるし、会いたい人と会って話しをすることもできる。

要は1日の中のONとOFFをきっちり切り替えることが肝心だということ。1日のスケジュールがほとんど仕事、という状態にならないよう、まずは仕事から解放されて「すっきり」気分で過ごす大切な時間を、毎日意識して作ることがワークライフバランスを保つ1歩だろう。

家族が大切なこと、夫婦の立ち位置、パパの存在

家族がピクニックをしている様子

男女共働きが一般的なフランスでは、家庭において「男だから」「女だから」といった役割分担はなく、「(時間的に、もちろん能力的もあるが)できる方がやる」といった法則をとる。それだけに、どちらも男性役、女性役を必要に応じて任務を果たす器用さ、そして協力性のある人たちだ。

朝、学校に子供を送るパパの姿(フランスでは小学生の送り迎えにも同伴者が必須)をよく見かける。夕方、パン屋の行列に並びディナー用のバゲットを買うパパの姿も……。散歩もパパが、ということも多く、その散歩にパパの友人がいることもある。

要するに、会社の後、お酒のおつきあいをして遅くに帰宅し、早朝には会社へと走っていく日本のお父さんとは異なり(私にはその印象が強いので)、フランスには、ママ同様にパパがしっかり家庭に存在している。

ショッピングより散歩が日常的なフランス人のこと、週末には、私が住むサン・マルタン運河地区に早朝から家族の姿が多く見られるし、パリにはパリッ子のオアシスとなる公園がたくさんあり、そこにも家族連れが多く、子供とともに親も自然に触れる時間を満喫しているあたり、散歩は子供のためだけではなく、自分自身の喜びでもあったりする。

家族で仲良くキックボード移動をしている風景もよく見かけ、子供たちが少しでも大きくなれば、まるで友達のように接している姿も……。親と子の日常の接点がすでにこれほど多いので、夏のバカンス時は、家族が一体になって「毎日を遊ぶ」ことになる姿が想像される。

このようにフランスでは、家族と共有する時間を大切にする文化が根付いていることもあり、必然的に仕事とプライベート(家族との時間)のバランスを上手く保つ必要性があるのかもしれない。

フランス人に欠かせない、Art de Vivre(アール・ド・ヴィーヴル)

グラスワインで乾杯をしているところ

アール・ド・ヴィーヴルは「暮らしの中のアート」を意味し、暮らしの中に自分の好きな空間を造り、自分らしく生きるというフランス人のエスプリから生まれた言葉。

ホームパーティーが多いのもフランス人の特徴で、友人を招待し、テーブルセッティングから料理、おもてなしに至る演出もまたアール・ド・ヴィーヴルの一環となり、心地よい空間で過ごす、友達と楽しいひと時を過ごすことも、彼らにとってとても大切なこと。

「なんだか余裕があっていいな〜」と思うかもしれない。でも、「余裕」は自分で作れるもの。「今日は仕事が大変だったな〜」と思った日には、帰宅途中で素敵な花を買って飾るだけでも心に余裕が持てるはず。

フレンチ・エスプリを見習って、これからは、社会に、仕事に流されない「自分らしい」時間と空間造りで、ゆとりある生活を送ってみるのもいいかもしれない。

横島朋子(よこしま ともこ)

パリ在住のライター&コーディネーター。フランス関連のガイドブック、雑誌で執筆する他、ファッション・シューティングやタレント本、テレビロケのコーディネーションなど多岐に渡り活動中。

横島朋子

※掲載内容は記事公開時点のものです。
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